室町時代の浦島太郎の結末は?他の時代との違いは?

1970年代中盤から90年代まで放送されていたテレビアニメ「まんが日本昔ばなし」は、多くの子供と両親らが視聴し、それぞれの昔話にいろいろな思いを抱いています。

日本昔話は、14世紀から17世紀の間に誕生したお伽草子や、昔から受け継がれてきた民話を元になっていて、どれも秀逸なストーリーが魅力となっていました。

そんな昔話の中でも、今の日本人の多くが知る「浦島太郎」の昔話は、室町時代につくられた「お伽草子」のお話のひとつです。

ここでは、「浦島太郎」に描かれた内容や結末、作品に込められた想いや意図を、作られた経緯などと共にご紹介します。

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室町時代に生まれた「浦島太郎」という昔話とは?

多くの人が知る「浦島太郎」の昔話は、大まかには、次のようなあらすじと結末です。

海浜で子供らに悪戯されていた亀を助けた「浦島太郎」が、助けた亀に連れられて竜宮城へ招かれ、乙姫様と竜宮城で楽しい時間を過ごします。

竜宮城から太郎が帰ってみると何百年もの月日が経過していて途方に暮れ、乙姫様から渡された「開けてはならない玉手箱」を開き、みるみるうちにお爺さんになってしまいます。

室町時代の「お伽草子」のひとつとなる以前の「浦島太郎」のお話しは、最初の亀との遭遇が、太郎がある日船で漁をしていて釣り上げたものの、「鶴は千年、亀は万年」というから、殺すわけにはいかないと逃したことがキッカケとなっています。

太郎が亀を助けた次の日には、亀ではなく遭難したという女性が太郎の目の前に現れ、竜宮城へと誘われ、太郎と乙姫様が夫婦となる展開があります。

そのほかの大まかな展開や結末は、現在知られている昔話と大きな違いはありません。

ただし、竜宮城から帰る太郎に乙姫様がなぜ「開けてはならない玉手箱」を渡したのか、浦島太郎が竜宮城から帰ると何百年もの月日が経っていたのかなど、多くの謎と読み手の解釈の違いがあります。

室町時代の「浦島太郎」には、どんな想いが込められている?

「浦島太郎」は、「風土記」や「日本書紀」、「万葉集」などにある「浦島子」の物語が原型と言われ、現在語られる昔話とは違い、浦島子と亀の仙女は夫婦となり幸せな暮らしを送ったとされています。

浦島子の話が、室町時代に今のような「浦島太郎」となったのは、「お伽草子」からとされ、その後も物語や童謡などで今に受け継がれています。

「浦島太郎」のお話には、浦島太郎と乙姫様の竜宮城での縁談や婚姻があり、浦島太郎を「鶴」、そして乙姫様を「亀」に見立て、縁起物の象徴としたと推察できます。

また、乙姫が渡した「開けてはならぬ」という玉手箱には、太郎に対する想いや夫婦関係の機微も感じられます。

良好な夫婦関係が、周囲の変化と必ずしも一致するわけではない、人間が有する時間の制限に怖さも感じさせます。

室町時代から伝わる「浦島太郎」の昔話

室町時代以前には、「浦島子」として語られていた物語は、「お伽草子」として作られた「浦島太郎」で、今に伝わる昔話のあらすじとなっています。

竜宮城を後にする太郎が受け取った「玉手箱」や、あっという間に年老いる結末には、多くの謎とさまざまな解釈や推測がなされています。

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