最近、女性たちが仕事を続けていくことが時々新聞などのメディアで話題になっています。
会社の中心メンバーにまで上り詰める女性の少なさや、そもそも男性と同じように働けるかなど、さまざまな議論が交わされています。
では、今よりもっと昔、例えば室町時代の女性たちはどんな仕事をしていたのでしょう。
それとも、仕事をする人は少なく、家にいたのでしょうか。
なんとなく、仕事をする女性は現代よりも少なく、家中心で過ごしていたのでは、と考える方も多いと思います。
実際はどうだったのか、少し室町時代の女性たちの仕事について見ていきましょう。
思っているより活動的な女性たち
室町時代ごろによく書かれた「職業歌合」というさまざまな職業の人物が描かれた絵巻物を見ると、そこに働く女性たちの姿を見る事が出来ます。
現代よりもっと家の中にいて仕事をしているイメージのない室町時代の女性たちですが、実は女性が関わる仕事は意外に沢山あり、職人歌合にはそんな女性たちが数多く描かれているのです。
ここに描かれている職業はさまざま。
有名な大原女、桂女にところてん売りといった行商人から、少し驚いたことに今でいう遊女も立派な女性の職業の一つとして描かれているのです。
ここに描かれている大原女とは、京の都に薪などを売りに来た女性の行商人であり、女性の職業としてよく知られています。
また、室町時代には土倉と呼ばれる金融業者がいますが、そういった金融業の職業でも女性が活躍していました。
一人では歩けないほど太った高利貸しの女性が支えられて歩く絵が残されているくらいです。
現代に生きる私達が思っているよりも、室町時代の女性たちは活発に働いていたようです。
女性であってもトップになれる!
室町時代には、「座」と呼ばれるそれぞれの職人の組合がありました。
簡単に言うと、同業者の集まりです。
この座でさまざまな話し合いなどが持たれていました。
さて、そういった集まりの中には一番偉いリーダーがいるものです。
実は、そういった座で、実質一位のリーダーになった女性がいます。
その名も、亀屋五位女。
京都で帯を取り扱う座のトップにたち、座を取り仕切ったうえ、帯の販売を独占したという女性です。
女性でありながらトップにまで上り詰め、仕事をこなしていく。
室町時代の女性たちは男性にも負けないほどいきいき働いていたのです。
女性であっても、仕事は仕事
このように調べていくと、室町時代の女性たちは家の外に出て、しっかり働いていた姿が浮かび上がっています。
与えられた仕事をこなし、自分の未来を切り開こうとする現代の女性たちとそれほど違いはないのかもしれません。
室町時代にトップに上り詰めた亀屋五位女のように、自分の限界を決めつけず、上を目指す姿勢は、是非見習いたいものです。