時代にあわせて変わっていくものは沢山ありますが、その中でも衣服は私達にとって身近なものです。
しかし、服装のはやりすたりは早いもので、ちょっと前までは和服だったのが今では洋服が日常着になっていたりと、考えてみると大きな変化が起きているのです。
その服装の変化、室町時代ではどんなものがあったのでしょう。
この時代に活躍、小袖って?
室町時代の服装で押さえておきたいアイテムは小袖という服装です。
この小袖とは、着物のもとになった衣服で、日本の伝統的な服装の一つ。
皆さんも名前は聞いた事がある衣服ではないでしょうか。
実はこの小袖、室町時代にとても大きな変化をおこした衣服なんです。
下着が日常着へ!驚きの発展
この小袖という衣服は、唐衣、という大きな袖を持つ「大袖」に対し、その名前の通り、より袖が小さい衣服です。
小袖はもともと唐衣の下に着るための服であり、室町時代以前から上流階級である貴族や武士のなかでは下着として扱われていました。
そんな風に貴族や武士のなかで下着として使われていた小袖に転機が訪れるのは室町時代。
この室町時代ではより動きやすい服が重宝され、日常着として使われるようになっていきました。
そんな流れは武士や貴族にも訪れ、そこで注目されたのが小袖です。
当時小袖は貴族や武士の中では下着として扱われていたものの、一般庶民の中では日常着として使われていました。
そこに目をつけたのが武士社会の者たちでした。
もともと下着であった小袖は、動きやすい服装へ、という流れに乗って武士社会でも日常着として一躍注目される服装になったのです。
ただ、その小袖をそのまま着るだけで終わらないのが貴族や武士たち。
少し手を加え、小袖はそれまでとはまた違ったものへと変化していくのです。
流行を生み出す!貴族たちが小袖に加えた変化
日常着として小袖を着るようになった武士や貴族ですが、その小袖に少し手を加え、新たな流行を生み出すのがこの階級の者たちです。
小袖はただの日常着として着るだけの服装ではなく、貴族や武士たちにとって外出の時に頭からかぶるという使い方をしたりと、その活用法は一般庶民とは一味違いました。
また、下着を日常着に着るようになったことで、染め織りを小袖に施すようになり、染め織りの技術が発達しました。
この時代の染め織りは外国の影響を受けており、それまでの時代とは違った流行を生み出していました。
そのうちの一つが染め織りの一つである辻が花染め。
当時流行しましたが、今では幻といわれるほど珍しい物になっています。
このように、下着から貴族や武士に日常着として使われるようになった小袖は染め織りという技術を使って作られたりと、より華やかに、工夫されるようになっていきます。
昔から使われていたものに貴族や武士たちは手を加え、現代の着物の原型になったように、新たな価値、そして流行を生み出していったのです。