室町時代の文化の特徴三つ

室町時代にはさまざまな文化がうまれ、花開いていきました。

そんな室町時代の文化は三つにわけることができ、それぞれに特徴があります。

ではその室町時代の文化の特徴をそれぞれ見ていきましょう。

スポンサーリンク
muromachi-jidaiレクタングル大

時代の変わり目の南北朝文化

鎌倉幕府が倒れた後、ごたごたの中で生まれた文化が南北朝文化です。

今回紹介する室町時代の三つの文化のうち一番初めに登場する文化になります。

南北朝文化はその名の通り、南北朝の動乱期の文化です。

時代の変わり目の緊張感を背景にして生まれた文化であり、歴史書や軍記物語がよく作られていました。その中で有名なものとしては増鏡や梅松論があります。

北山文化の特徴は僧に現れる?

南北朝文化の次に室町時代に現れる文化が北山文化。

この北山文化は足利義満の時代に生まれた文化でした。

その足利義満が建てた金閣寺などが北山文化のものとして有名です。

また、北山文化の特徴はその時代の僧からも見てとることができます。

室町時代で北山文化が生まれたこの頃は中国帰りの留学僧や渡来僧が数多くいた頃でした。

その僧たちは幕府の政治や外交顧問として活躍し、禅の経典、漢詩文集を出版するなど、広く活躍の場を広げていました。

また、これらの僧たちの活躍により、広く世間に中国文化が普及していったのです。

新しいものがぞくぞく表れた東山文化

南北朝文化、北山文化と続いて表れる室町時代の文化が東山文化です。

この東山文化は足利義政の頃に花開いた文化でした。

東山文化の特徴は、北山文化で花開いた芸術性が生活文化の中に溶け込み、東山文化独自の文化にまで昇華されているところです。

東山文化は簡素さと伝統文化の幽玄・侘の精神を基盤として、今までにない新しいものを生み出していきました。

例えば、そのうちの一つが枯山水。

岩石と砂利を組み合わせることによって象徴的な自然を作り出したものです。

これは禅の精神で統一された庭園の代表的なもの。

また、日本文化を代表する茶の湯と花道の基礎もこの東山文化の頃に作られました。

茶の湯では茶と禅の精神の統一を目指し、茶室で心の静けさを求める侘茶を作り出した村田珠光がいます。

また、水墨画の世界では雪舟が出て、それまでの水墨画の作画技術を集大成するとともに、それまでの水墨画にはない水墨画様式を作り上げました。

それはそれまでの水墨画の制約を乗り越えた上に作り上げられた、新しいものでした。

そして同じく水墨画に伝統的な大和絵の手法を取り入れることで、狩野正信、元信父子が新しく狩野派をおこしたのです。

今回紹介した室町時代の三つの文化ですが、その三つを通して室町時代の文化の特徴が見えてきます。

室町時代に起こった南北朝文化、北山文化、東山文化はそれぞれ違う特徴を持っていますが、その三つに共通するのが一つの文化とまた違う文化が溶け合っていること。

武家文化と公家文化、外国の文化とそれまでの日本の伝統文化の融合。

そして農村や都市の民衆との交流によって生み出されたものこそ室町時代の文化であり、その特徴なのです。

スポンサーリンク
muromachi-jidaiレクタングル大

muromachi-jidaiレクタングル大

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする