現代の日本では子供の仕事は遊ぶ事だといわれてます。
そのようにいわれるほど子供の生活の中心になっている遊び。
今ではテレビゲームなどの遊びがありますが、室町時代はどんな遊びがあったのでしょうか。
目次
手掛かりは絵巻物。子供の姿を探せ!
子供が当時どんな遊びをしていたのか、どうやって知る事ができるでしょうか。
そんな時、大きな手掛かりになってくれるものが、絵巻物。
有名な鳥獣人物戯画のように、動物や子供が遊んでいる姿が描かれた絵巻物があるので、そういったものの中から子供の姿を探してみると、室町時代などにどんな遊びをしていたのかがわかります。
室町時代の子供の遊びを知る為に、今回紹介するのは「鳥獣人物戯画」「慕帰絵詞」です。
「鳥獣人物戯画」は室町時代以前に描かれたものですが、動物たちが相撲や弓、そしてひもを使った遊びをしている姿が描かれており、そこには室町時代でも人気だった子供の遊びが描かれています。
もう一つの「慕帰絵詞」は1351年に描かれたもの。
本願寺3世寛如の伝記であり、そこでは現在でもおなじみの竹馬、こまなどで遊ぶ子供たちが描かれています。
あの遊びも室町時代に誕生した
絵巻物の中で描かれている子供の遊びには、今でもよく知られているものを見てとる事が出来ます。
例えば相撲やこま、竹馬といえば現代の人でもどんな遊びなのか、わかります。
その中でも今では日本の国技といわれるスポーツになった相撲。
この相撲は、室町時代以前からありましたが、室町時代には将軍たちが相撲見物を楽しんだという資料が残っているほど。
子供たちだけではなく、大人たちの間でも人気だったのです。
また、室町時代の子供の遊びとして注目したいのは、羽根つきです。
羽根つき、というとお正月に羽子板で羽根のついた球を打ちあう遊びです。
この遊びのもととなった遊びは室町時代以前に中国から日本に入ってきたのですが、今の羽根つきのように板で球を跳ね返すかたちの遊びになったのは室町時代からです。
この羽根つき、室町時代では人気のある遊びだったようで、羽根つきの大会が催された事がわかる資料が残されています。
また、この羽根つきという遊びは室町時代を過ぎ、戦国時代に入っていくにつれ、遊びというよりもまじない、祭事という意味合いの方が強くなっていくのです。
姿をかえても残っていく遊び
今紹介した室町時代の子供の遊びはほんの一部でしかありません。
しかし、紹介できた数少ない遊びの中でも、現代でも行われているものが多く、驚いたのではないでしょうか。
国技となった相撲やお正月の遊びとして有名な羽根つき、誰でも一度は遊んだであろうこまや誰でも知っている竹馬。
室町時代に親しまれていた遊びは、いくつもの時代を経て、かたちを変えながらも、今でも日本の伝統的な遊びやスポーツとして存在しているのです。