室町時代の知っておきたい美術作品

室町時代は様々な分野の文化が発達し、広まっていった時代でした。

もちろん、それぞれの文化が発達していく中で、のちの世にも名を残す美術作品が生みだされていきました。

そんな室町時代を代表する美術作品には、どんなものがあるのでしょうか。

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室町時代代表、金閣寺

室町時代を代表する美術作品の一つとして、鹿苑寺金閣があげられます。

鹿苑寺金閣は室町時代の3代将軍、足利義満によって京都の北山に建てられました。

現代でもほとんどの方が知っているほど有名な寺です。

現在では国宝であり、世界遺産となっています。

その有名な理由は、やはりその見た目でしょう。床や天井にまで金箔が押されたその姿は、観光名所としても有名です。

ただ、鹿苑寺金閣が室町時代を代表する美術作品とするのは、その建築様式が当時の時代の特徴をよく表しているからです。

そんな金閣寺は一層が公家風の寝殿造、二層が寝殿造と書院造の折衷、三層が禅宗様からなる楼閣となっています。

その鹿苑寺金閣の伝統的な寝殿造風と禅宗様の折衷した様子があまりにその時代の特徴を表しているからこそ、その時代の文化の事を、鹿苑寺金閣が北山に建っていたことから北山文化、と呼ぶようになったのです。

禅を絵で表した瓢鮎図

室町時代には水墨画の中にも有名な美術作品があります。

それが妙心寺退蔵院瓢鮎図です。

如必によって描かれたこの水墨画は、室町時代の水墨画に起こった変化をも読み取る事が出来ます。

この水墨画では、一人の人間がひょうたんでナマズをおさえようとしているところを描いたものですが、この図、実は禅の公案のひとつ。

臨済宗では師から与えられる問題を一つ一つ解決していくことを「公案問答」といいますが、その問題を絵で表したものなのです。

水墨画は墨の濃淡を使って描くものですが、室町時代に増えていた中国帰りの留学僧が禅の精神を具体化した水墨画を広めていった為、こういった図案が広まりました。

この瓢鮎図はそんな時代に描かれた美術作品なのです。

特色豊かな室町時代

日本の様々な伝統文化が発達した室町時代。

今回紹介した以外にも様々な文化が誕生、発達しました。

その中で生み出される美術作品は本当に多種多様でいくつか紹介するにもどれを選ぶか迷うほど。

今回あげた二つは、そんな室町時代を表す美術作品であり、ただ作品として素晴らしいだけではなく、その時代の特徴が読み取れるものです。

もしまた今回紹介した作品や、その他の美術作品を目にする機会があったならば、その作品自体の価値だけではなく、そこから読み取る事が出来る、その作品が作り出された時代の文化、世の中の背景もぜひ、味わってみてください。

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