日本料理の歴史を語る上で、絶対に外せない大きなポイントになった時代を知っていますか?
それが室町時代なんです。
室町時代は今でも日本料理に欠かせないいろんな食材、調味料が現れ、一気に発展したポイントとなる時代です。
例えばどんなものが室町時代に誕生、発展したのか見てみましょう。
日本料理の基礎の基礎!だしの誕生
日本の料理の歴史を語る上で外せない調味料といえば、まず「だし」を挙げる人も多いのではないでしょうか。
日常生活でも御味噌汁などに欠かせない「だし」。
この「だし」こそ室町時代に発展したものなんです。
日本の歴史の中で「だし」が初めて登場するのは室町時代の「大草殿より相伝之聞書」です。
これは室町時代後期の「郡書類従」に収録されている料理書で、この中に鰹節をつかっただしをとっている記述があり、またその時にだし袋を使っていると書かれています。
ただ、同じ室町時代でも、その「大草殿より相伝之聞書」が書かれる前に、蝦夷地(今でいう北海道)から敦賀に運ばれてきた昆布を京都で味付けに使っており、だしの歴史としては昆布だしの方が先に登場したようです。
おなじみのこの調味料も誕生!
室町時代に発展した「だし」。
これだけでも日本料理の歴史を語る上でポイントとして重要ですが、実はもう一つ、ぜひ紹介したい調味料で、同じ室町時代に発展したものがあるんです。
それが醤油です。
醤油の起源については諸説ありますが、室町時代以前から「醤」という調味料が重宝されており、それがルーツになったといわれています。
そして室町時代には、蒸した大豆と煎った小麦をほぼ同量混ぜ、麹と塩水を混ぜて醤油を作り出す事が紀州湯浅や播州龍野で始まりました。
この醤油の誕生にともない、もうひとつ、日本料理の歴史を変えるポイントも生まれました。
それが魚の食べ方です。
いま私たちの食卓に欠かせない醤油がそのように誕生したことで、それまでの魚の食べ方も大きく変化しました。
それまでは生の魚を食べる時、生のままか、酢をかけて食べることが一般的でしたが、醤油が生まれた事によって、生魚を厚めに切って醤油をつけて食べる刺身が広まっていったんです。
そして、それと同時に、刺身には欠かせないわさびも一緒に広がっていきました。
一つの食材、調味料の変化が次の変化を起こす
今回、室町時代を中心として、その時代の料理の発展において、歴史のポイントとなるだしと醤油の誕生、そして発達について見ていきました。
そしてわかったように、だしの誕生、醤油の誕生など、一つの食材、調味料が誕生、発展することで、又それとは別の調味料や料理方法が生まれていきました。
その中には、今現在私達が親しんでいるものも数多くあります。
一つの変化が又次の変化を引き起こすのは歴史の上で何回も繰り返されてきた事です、。
だからこそ、一つの調味料や食材が新たに見つけ出されることは、料理の歴史を語る上で外せないポイントになるのです。