私達が生きている現代の日本では、新聞やニュースなどで少子化や高齢化がよく話題に上っています。
でも、昔はどうだったのでしょう?
「歴史は繰り返す」という有名な言葉の通りなら、今までの日本の歴史の中でも、少子化などが問題になった時代などがあったのではないでしょうか。
今でも受け継がれている伝統文化が数多く発達した室町時代を例にあげて見てみましょう。
室町時代、日本の人口は減った?増えた?
今、私達が生きる現代社会では、人口などを知る事が出来る国勢調査というものがあります。
ですが、今行われているような国勢調査は近代以前はありませんでした。
それに近い調査や資料はあるのですが、人口を知るという目的のためではなく、あくまで国家の運営のために必要とされたものだったので、日本の人口のはっきりした数字は分かっていないのです。
そのため、近代以前の日本の人口ははっきり断言する事はできませんが、古文書などを読み解いたり、または歴史人口学の研究者などの研究によって、大体の人口の増減はわかっています。
もちろん、今回見ていく室町時代でも、日本の人口は増えたのか、減ったのか・・・そう聞かれて即答できる人はそんなにいません。
実際、室町時代の日本の詳細な人口はわかっていません。
ですが、増減だけでみてみると、室町時代は結構有名な時代なんです。
それというのも、室町時代から中世後期にかけて、日本人口はぐんぐん増加し、初めて1000万人を超えているからです。
少子化の今とは正反対。では、なぜ増えた?
今たびたび騒がれている少子化とは正反対、うらやましいほどの室町時代からの人口の伸びっぷり。
実は、人口が増えたり、減ったりする頃にはそれぞれ共通点があること、知っていましたか?
人口が増えている時代に共通するのはまず、文明が発展している時である事。または経済が発展している事。
もちろん、室町時代もこの二つに当てはまる時代です。
室町時代では、現代まで受け継がれている数多くの日本の伝統文化が発達した時代です。
さらに、職人たちもいきいきと活躍した時代なので、もちろんそれに伴い経済活動も活発になってきます。
室町時代は「文明、経済が発展している事」という人口増に不可欠な二つのポイントを見事に満たしているのです。
歴史は繰り返す?
さて、人口が増加する時代の共通点はわかりました。
その共通点の通りに職人たちが活躍し、伝統文化の基礎が築かれた室町時代。
では今のような人口減の時代の共通点は?
そう、文明、経済活動が発達しきった停滞期です。
日本の歴史を見ていくと、それこそ縄文時代の頃から、人口増減の時代を繰り返しているのです。