今の時代、色んなものに税金がかかっており、消費税のようにその中のいくつかは常に私達の身近にあります。
でも、何か買い物をしたときについてくる消費税は実は比較的最近誕生したばかりのもの。
そんなふうに、時代によって税は増えたり、消えたりしているのです。
いろいろある室町時代の税
税の歴史は古く、日本では弥生時代、つまり卑弥呼がいた時代からあったようで、「魏志倭人伝」の中にその記述がでてきます。
もちろん室町時代にも税はありました。
たとえば関銭という、街道の通行料。
この税は荷物を売りさばくため、街道を通っている人が関所を通るときに払わなければならないものでした。
室町時代は商業の発展が目覚ましく、それに伴って物を売り買いする人の行き来も一気に増えた時代でした。
そのため、通行料として税を課すことは幕府にとってとても大きな収入になりました。
また、関銭と同じように通行に関わってくる税として、港に入港する際船に課せられる津料という税も有名です。
他にも、家屋の棟数別でかかってくる額の違う棟別税。
そして高利貸しにかけられた税である土倉役に酒屋にかけられていた酒屋役。
田畑にかけられていた段銭という税もあります。
室町時代の税としてはそういったものが有名です。
ここで注目してほしいのがその税の種類。
実は、室町時代は税のかたちが少し変化した時代なんです。
今までのように年貢だけではなく、この時代に発展した商工業と関わりのある税が出来てきたのです。
先ほどあげた土倉役や酒屋役などはその代表格です。
室町幕府はやりくり下手?
そうやって税の種類が次々増えた室町時代。
税の中にはいつも課せられているわけではなく、臨時で課せられる税もありました。
そのようにいろんなやり方で集められた税。
でもそもそも、どうして室町時代は今までより税の種類が増えたのでしょうか。
実は、その答えは室町時代の政権の不安定さにありました。
税は幕府、国の運営に必要不可欠なものでしたが、実は室町時代は不安定な政権であり、それまでお金を集めるための大きな収入源である御料所からのお金では、とても足りなかったのです。
いわばやりくり下手だった室町時代の政権はそのままではとても続けていくことができません。
そこで、なんとか幕府を続けていくためにお金が必要だった室町幕府が思いついたのが、税を増やすことだったのです。
一気に増えた、室町時代の税
室町時代は商工業の発展、そしてその勢いによって経済も発展していったので、それまでよりもお金の動きは活発になりました。
そして、そういった世の中の動きに合わせるように、時の幕府は今までにない新しい税を作り、農民に課しました。
室町時代に税の種類がなぜ増えたのかを見ていくと、そういった事情がうらには隠れているのです。